40年ぶりの労働基準法大改正へ|中小企業が今すぐ押さえるべき7つのポイントと実務対応

1. 40年ぶりの大改正は「会社の未来づくり」の分岐点
労働基準法が約40年ぶりに大幅に見直される見通しです。
副業・テレワーク・フリーランスなど、働き方の多様化が進む今、企業に求められる労務管理の水準は大きく変わろうとしています。
中小企業にとっては、
・就業規則の見直し
・勤怠管理のアップデート
・休日・休暇制度の明確化
・副業制度の整備
など、経営にも直結するテーマばかりです。
本記事では、改正案の全体像と中小企業が押さえるべきポイントをわかりやすくまとめました。
2. 労働基準法改正の7つの重要ポイント
① 労働時間・休息時間の厳格化
・勤務間インターバル制度の義務化(原則11時間)
・連続勤務は原則13日以内へ(現在は最大48日連続勤務も可能)
・農業・畜産・水産業などの適用除外の見直し
② 休日・休暇ルールの明確化
・法定休日を企業が明確に特定する義務
・有給休暇の賃金算定方式を「通常賃金方式」に統一
・時間単位有給の使用可能日数を拡大へ
③ 多様な働き方への対応強化
・副業・兼業者の割増賃金は“労働時間の合算をしない方向”に
現在、例えば2社で働く場合、2社の労働時間を合算して割増賃金を払わなければいけないが、副業の場合は、労働時間を通算しない方向へ
④ 「つながらない権利」の導入
・勤務時間外の連絡に応じない権利
・顧客側からの業務連絡も控える方向へ
⑤ 各種特例・適用除外の整理
・常時10人未満事業所の週44時間特例を廃止
小売店・飲食店・旅館・理美容・病院・薬局などで「常時10人未満の事業所」は週44時間の特例がありますが、これを週40時間労働へ
・管理監督者の労働時間把握・健康管理の義務化
管理監督者は残業代・労働時間・休日など適用除外になりますが、管理監督者の要件を明確化、健康管理も義務化へ
⑥ 育児・介護と仕事の両立支援強化
・労基法でも両立支援のルールを整備
⑦ 残業時間の上限規制の強化と透明化
・特別条項(最大月100時間未満)を廃止し、 原則:月45時間・年360時間へ一本化
時間外・休日労働の上限について、原則「月45時間、年360時間以内」のところ、特別な事情があれば「月100時間未満、年720時間以内」となっていますが、これを廃止して、すべて「月45時間、年360時間以内」にすべき
徐々に時間外労働の上限は下がっていくと思われます。
・残業時間の社内・社外への情報開示義務も検討中
3. 中小企業が直面する実務課題とは?
① 就業規則の大幅な見直しが必要
休日・有給・副業・時間外労働・管理監督者など、多岐にわたって書き換えが求められます。
② 勤怠管理システムのアップデート
勤務間インターバルや連続勤務管理に対応する必要があります。
③ 運用ルールを明確に
副業者の労働時間管理、時間外労働の上限、休日を明確にする必要があります。
④ 早い対応で採用力をアップ
求職者は「働きやすい会社かどうか」を強く重視しています。
法対応が整っている企業の方が選ばれる時代です。
4. 改正をチャンスに変えるために:企業が今すぐできること
・改正項目の整理と現状とのギャップ確認
・就業規則・社内規程の見直し
・勤怠管理方法の再設計
・休日・休暇の運用ルールの統一
・副業規定の整備
・管理監督者の労働時間把握の仕組みづくり
こうした準備を早く進めることで、「働きやすい会社」=人財が定着し、選ばれる企業へとつながります。
5. 大改正は企業力の底上げのチャンス
今回の労働基準法改正は、企業にとって負担ではなく、「社員が安心して働ける、強い組織づくり」です。
働き方改革が求められる時代において、法令遵守はもちろん、社員の健康と生産性を守る仕組みが整っている会社は、採用でも定着でも確実に優位に立ちます。
当事務所では、
就業規則のアップデートや制度整備まで一貫してサポートしています。
「どこから取り掛かれば良いかわからない」という段階でも大丈夫です。
まずはお気軽にご相談ください。

