円滑に有給休暇を取得できる職場づくりに必要なこと 効果的な5つの取り組み

年次有給休暇とは、心身の疲労を回復し、ゆとりある生活を保障するために付与される休暇のことです。
「有給」なので休んでもお給料が支払われます。
また、正社員、パートタイム、アルバイトなどの区分に関係なく、取得することができます。
有給休暇を取りやすい環境に整えることは、仕事の効率性のUPや社員のモチベーションアップ、優秀な人財の確保・定着にもつながります。
社員の方も職場の状況を考慮したり、お互い助け合って取得しあえるといいですね。
そこで、今回は円滑に有給休暇を取得できる職場づくりに必要なことを5つご紹介いたします。

(1)有給休暇の付与日数
(2)有給休暇の時効
(3)年5日の有給休暇の取得の義務化とは?
(4)有給休暇の計画的付与とは?
(5)パートから正社員に変更。有給休暇はどうなる?
(6)円滑に有給休暇を取得する職場づくり必要なこと効果的な5つの取組み
  ①お互いを知るコミュニケーションをとる
  ②社員の思いを吸い上げる
  ③設備導入や自動化し、業務の効率を上げ労働時間を減らす
  ④業務マニュアルを作成する
  ⑤有給休暇の取得目標を設定し、取得しやすい風土をつくる

(1)有給休暇の付与日数
まず、有給休暇は、入社後6ヶ月間継続して勤務しその出勤率が8割以上のときに発生します。
そして付与する日数は、下表のとおり、勤続年数と、週に働く日数で決まります。
パート・アルバイトも有給休暇の付与対象です。
例)入社から6ヶ月後
・正社員は10日
・週4日かつ週30時間未満働くパート・アルバイトは7日になります。

出典:厚生労働省HP 年次有給休暇の付与日数は法律で決まっています
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/dl/140811-3.pdf

(2)有給休暇の時効
有給休暇には時効があります。
有給休暇は与えられた日から2年で時効となります。
1年間で使いきれなかった有給休暇は翌年に繰り越し、さらに1年間使わなかったとは時効により消滅します。

(3)年5日の有給休暇の取得の義務化とは?
2019年4月から、すべての企業において、年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者(管理監督者を含む)に対して、年次有給休暇の日数のうち年5日については、社員の希望を聞いて取得させることが義務付けられました。
これは、年次有給休暇は、労働者が請求する時季に与えることとされていますが、同僚への気兼ねや請求することへのためらい等の理由から、取得率が低調な現状にあり、年次有給休暇の取得促進が課題となっているためです。
取得の義務化がされてから、有給休暇取得率は上がっています。
10日以上付与される社員については、5日は社員の希望を聞いて取得させましょう。
パートやアルバイトも同じです。
詳細はこちら。
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/content/contents/000501911.pdf
(厚生労働省HP 年5日の年次有給休暇の確実な取得)

(4)有給休暇の計画的付与とは?
年次有給休暇の計画的付与制度とは、有給休暇のうち、5日を超える分については、労使協定を結べば、計画的に休暇取得日を割り振
ることができる制度のことをいいます。
この制度は前もって計画的に休暇取得日を割り振るため、導入により社員はためらいを感じることなく年次有給休暇を取得することができます。
年次有給休暇の日数のうち5日は個人が自由に取得できる日数として必ず残しておかなければなりません。
計画的付与の対象となるのは年次有給休暇の日数のうち、5日を超えた部分となります。
例えば、年次有給休暇の付与日数が10日の社員に対しては5日、20日の社員に対しては15日までを計画的付与の対象とすることができます。
詳細はこちら。
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/kinrou/dl/101216_01e.pdf

(5)パートから正社員に変更。有給休暇はどうなる?
パートから正社員に変わっても有給休暇は引き継がれます
変わった時点では、日数はそのまま引き継がれます。
時間は、正社員としての1日の労働時間分の休暇が与えられます。
その後、付与日にはパートから通算した勤続年数で日数が付与されます。

出典:厚生労働省HP しっかりマスター 有給休暇編
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/content/contents/000501862.pdf


(6)円滑に有給休暇を取得するために必要なこととは?
円滑に有給休暇を取得できる職場づくりに必要なことは、なにより日頃のコミュニケーションです。
有給休暇は正社員だけでなくパートやアルバイトも取得することができます。
申請すれば、会社は取得の申し出を断ることはできません。
有給休暇を取りやすい環境に整えながら、社員の方も職場の状況を考慮したり、お互い助け合って取得しあえるといいですよね。

円滑に有給休暇を取得するために必要な主なポイント5つをご紹介します。
①お互いを知るコミュニケーションをとる
一緒に働く仲間の環境や状況を知ることによって、相談しやすく、配慮し助け合うことができます。
やはり人間関係が良好な職場はお互い助け合うことができ、定着にもつながります。
それには、気持ちの良い挨拶をする。悪口・陰口を言わない。といったルールづくりが必要です。
また、情報を共有しやすいので仕事の効率も高まります。

②社員の思いを吸い上げる
有給休暇を取りやすくするにはどのようにしたらいいか?を社員に考えてもらう。
社員が自ら考え、話し合うことによって、課題を発見し解決していくことは、納得感を持って積極的に解決に取り組むことにつながります。職場の課題を自ら解決する風土になります。

③設備導入や自動化し、業務の効率を上げ労働時間を減らす
設備導入やDX化を進めることで、業務時間を減らすことができます。生産性が向上し、コスト削減にもつながります。

④業務マニュアルを作成する
マニュアル化しやすい業務は、マニュアルを作成ことによって、業務の属人化を防ぎ、標準化することで、誰でもその仕事をすることができます。また、社員の研修や異動もスムーズに行うことができます。
マニュアルは改善していくものなので、業務レベルも上がっていきます。

⑤有給休暇の取得目標を設定し、取得しやすい風土をつくる
有給休暇取得の推進によって、社員の健康を守ることは、経営に大きなメリットを生み出してくれます。
上司から率先して取得したり、有給休暇取得計画表を作成することで取得しやすくなります。

有給休暇を取りやすい環境に整えることは、仕事の効率性のUPや社員のモチベーションアップ、優秀な人財の確保・定着にもつながります。
社員がイキイキと仕事をすれば、会社の生産性が向上し、メンタルヘルス対策や余分な残業代などのコストも削減できます。
企業イメージも高まり、優秀な人財の確保にもつながります。

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