ハラスメント研修を実施しました|約100名の社員と考えた「人が育つ職場づくり」

先日、企業様からご依頼をいただき、約100名の社員の皆様を対象に「ハラスメント予防・コミュニケーション研修」を実施しました。
経営者の方から、こんなお話を伺うことがあります。
「パワハラと言われるのが怖くて、管理職が注意や指導をしづらくなっている」
「ベテランと若手で、仕事に対する考え方が違う」
「若手を育てたいけれど、どう教えたらいいのか分からない」
「忙しい現場だからこそ、コミュニケーションが後回しになってしまう」
人手不足が続く今、採用することと同じくらい、今いる社員が安心して働き、成長し、長く活躍できる職場をつくることが大切になっています。
今回の研修でも、単に「これはパワハラです」「これはセクハラです」と知識をお伝えするだけではなく、「自分たちの職場を、もっと良くするために何ができるだろう?」
と、一人ひとりが自分の職場に置き換えて考えていただくことを大切にしました。
※掲載画像は研修の様子をイメージしたイラストです。
ハラスメント研修で大切にした3つのこと
今回の研修では、大きく3つのテーマを取り上げました。
1.ハラスメントについて正しい知識を持ち、社員同士の認識をそろえること
2.「ハラスメント」と「適切な指導」の違いを理解すること
3.世代や立場が違っても、お互いを尊重して関わるコツ
ハラスメントを恐れるあまり、必要な指導までできなくなってしまっては、人は育ちません。
一方で、
「昔はこれくらい普通だった」
「自分もこうやって教えられてきた」
という理由だけで、これまでと同じ指導方法を続けていると、相手にはうまく伝わらないこともあります。
大切なのは、「言ってはいけないこと」を覚えるだけではなく、「どうすれば相手に伝わるのか」を考えることだと思います。
「伝えた」と「伝わった」は違う
研修では、同じものを見ても、人によって見え方が違うことを体験していただくワークも行いました。同じ職場で働いていても、年齢、経験、立場、育ってきた環境などによって、考え方や価値観は違います。
例えば、上司が、
「前にも教えたから、分かっているだろう」
と思っていても、部下は、
「聞いたけれど、具体的にどうすればいいのか分からない」と思っているかもしれません。
上司は「ちゃんと伝えた」。
部下は「分からない」。
どちらかが悪いということではありません。
だからこそ、「伝えたか」ではなく「伝わったか」という視点が大切になります。
仕事の指示や教育についても、「ここまで言ったから分かるだろう」ではなく、
「どこまで理解できた?」
「分からないところはある?」
「一度やってみて、確認しよう」といった関わり方に少し変えるだけでも、コミュニケーションは変わっていきます。
事例を通して「自分たちの職場」を考える
今回の研修では、職場で起こりそうな事例を使いながら、グループディスカッションも行いました。
「これはパワハラにあたると思いますか?」
「言われた側は、どんな気持ちだったと思いますか?」
「では、指導する側には、どんな事情や思いがあったのでしょう?」
「もっと良い職場にするために、どんなことができるでしょう?」
社員の皆様には、それぞれの立場から意見を出していただきました。
その中で、
「実際の現場では、もっといろいろなことがある」という声も聞かれました。
実際の職場では、研修の事例のように「こちらが正解」「こちらが間違い」と簡単に判断できないことがたくさんあります。
何度注意しても、同じことを繰り返してしまう。
安全に関わることなので、強く注意しなければならない。
忙しくて、一人ひとりに時間をかけて教えることが難しい。
教える側にも、教わる側にも、それぞれの事情があります。
だからこそ、事例に対する「正解」を覚えるだけではなく、「自分たちの職場だったら、どうする?」と社員同士で考え、話し合うことに意味があるのだと思います。
「パワハラではない」=「良い職場」ではありません
今回の研修で、もう一つ大切にしたのが、「ハラスメントに該当しなければ、それで問題ないのでしょうか?」という視点です。
法律上、パワハラには該当しなかったとしても、
「上司に話しかけづらい」
「分からないことがあっても質問できない」
「ミスを報告すると怒られるから、黙っておこう」
という職場になってしまったら、どうでしょうか。
社員が働きづらいだけではなく、ミスや事故、離職につながってしまう可能性もあります。
反対に、
「分からないことを聞ける」
「困ったときに助けを求められる」
「ミスをしたときに、次はどうすればいいか一緒に考えられる」
そんな関係性があれば、人は少しずつ成長していきます。
ハラスメントを「なくす」ことだけをゴールにするのではなく、社員がお互いを尊重し、安心して仕事ができる職場をつくること。を考えることが、これからのハラスメント対策には必要だと考えています。
人が育つ職場は、日々の小さな関わりから
職場を良くするというと、
「新しい制度を作らなければ」と思われるかもしれません。
でも、すぐにできることもあります。
例えば、
人格ではなく「行動」に対して指導する。
指導では、感情ではなく、事実を伝える。
「伝えた」ではなく「伝わった」を大切にする。
お互いを仲間として尊重する。
「ありがとう」「助かったよ」を、きちんと言葉にして伝える。
こうした毎日の小さな積み重ねが、社員同士の信頼関係をつくっていきます。
そして、お互いを尊重し、信頼し合える職場が、良いチームワークにつながっていくのだと思います。
人手不足の今こそ、「採用」の前に職場を見直してみませんか?
「求人を出しても応募が来ない」
「せっかく採用しても、すぐに辞めてしまう」
そんなご相談も増えています。
もちろん、採用活動を工夫することも大切です。
でも、その前に一度、
「今いる社員にとって、うちの会社は働き続けたい職場になっているだろうか?」と考えてみることも必要ではないでしょうか。
若手が育たないのであれば、「本人のやる気」だけの問題なのか。
社員が辞めてしまうのであれば、「最近の若い人はすぐ辞める」で終わらせていいのか。
管理職が疲弊しているのであれば、管理職個人の力量だけに任せていないか。
人の問題に見えていることが、実は職場のコミュニケーションや人を育てる仕組みの問題であることもあります。
ハラスメント研修を「より良い会社づくり」のきっかけに
ハラスメント研修は、
「これは言ってはいけません」
「これをするとパワハラになります」
という事項を覚えるだけの研修ではないと、私は考えています。
ハラスメントについて学ぶことをきっかけに、
「自分たちの職場はどうだろう?」
「もっと働きやすくするために、何ができるだろう?」
「若手もベテランも、それぞれの力を発揮するにはどうしたらいいだろう?」と社員同士で考えてみる。
ハラスメント予防は、より良い職場づくりの入口にもなります。
約100名の社員の皆様と研修をご一緒して、改めて感じたのは、良い職場は、社長や管理職だけがつくるものではない。ということです。
一人ひとりが自分の職場について考え、小さな行動を変えていく。
その積み重ねが、「人が育つ」「人が定着する」「チームとして力を発揮できる」会社につながっていくのではないでしょうか。
「うちの会社も、一度みんなで考えてみようかな」と思われたら
当事務所では、ハラスメントに関する法律や知識をお伝えするだけではなく、それぞれの会社の業種・職場環境・社員構成・実際のお悩みに合わせた研修を大切にしています。
例えば、
「パワハラを気にして、管理職が必要な指導までできなくなっている」
「ベテラン社員と若手社員のコミュニケーションがうまくいかない」
「若手社員がなかなか育たない」
「社員が安心して意見を言える職場にしたい」
「採用しても辞めてしまうので、定着する会社にしていきたい」
そんな課題を感じている会社こそ、一度、社員の皆様と一緒に「自分たちの職場」について考える機会をつくってみませんか。
研修をきっかけに、社員一人ひとりが自分たちの職場について考え、明日からの関わり方を一つ変えてみる。
その小さな一歩から、職場は変わっていくと考えています。
「まずは、うちの会社にはどんな研修が合うのか聞いてみたい」という段階でも大丈夫です。
人が育ち、定着する会社づくりを、一緒に考えていきます。
どうぞお気軽にご相談ください。

