「働きがい」は「転職を考えさせない」カギ

少子高齢化による労働人口の減少が加速する中で、選び・選ばれる会社であることや少人数で成果を上げることは、ますます重要になってきています。会社への誇り・仕事のやりがいがある職場は、転職を考えたことがない人の割合が高くなることが分かっています。
(1)転職に積極的な若手世代が「転職を考えない」職場の特徴
(2)「採用」と「定着」に必要な要素の違い
(1)転職に積極的な若手世代が「転職を考えない」職場の特徴

株式会社日本能率協会総合研究所「働きがい1万人調査(2024/9/11)」では、25~34歳は転職活動に積極的であり、 半数以上が転職活動中または直近3年以内に転職を考えたことがある。としています。
今の仕事・働き方に対する考え方として、転職に積極的な若手世代が「転職を考えない」職場の特徴では、今の会社で転職を考えたことはない理由で、注目してほしいのは、勤務地、給与、柔軟な働き方など労働条件についての項目が並んでいますが、それらを押さえたトップは「今の会社の今の仕事にやりがいを感じているから」となっているところです。
また、今の会社にとどまっている理由は、柔軟な働き方や勤務地、給与が上位に並んでいます。
働きやすさは、検討した転職を思い留まらせる。働きがいは、転職を考えさせないカギ。ということです。
採用のフェーズにおいてはどうしても「働きやすさ」が前面に出ますが、定着という観点では「働きがい」がより重要になることが分かります。この働きやすさと働きがいの両立が、非常に大事なことになってきています。
株式会社日本能率協会総合研究所「働きがい1万人調査(2024/9/11)」
https://jmar-im.com/column_es/es2409/
(2)「採用」と「定着」に必要な要素の違い

働きやすさと働きがいのバランスのポイントを考えるときに、「ハーズバーグの二要因理論」があります。アメリカの臨床心理学者であるフレデリック・ハーズバーグが提唱した「仕事の満足・不満足には異なる要因がある」という理論です。
二つの要因とは
①衛生要因(働きやすさ)
これが欠けていると不満になるが、整っていても満足にはなりません。
例:給与、労働条件、人間関係、会社の制度や福利厚生、安全衛生など。
②動機づけ要因(働きがい)
これがあると満足感・やる気につながります。
例:やりがい、達成感、成長の機会、承認・評価、仕事の責任や裁量など。
働きやすさ(衛生要因)が整っていることは、最低限の土台です。働きやすい環境がなければ、「辞めたい」と思われやすくなります。
働きがい(動機づけ要因)は、キャリアパス、スキルアップ、裁量権、評価制度などで「自分の価値を感じる」ことができる状態で、「もっと貢献したい」「この会社で成長したい」と思わせる要因です。
この二軸のバランスが重要で、働きやすいだけでは長期的な定着は難しく、働きがいだけでも人はストレスにさらされます。
【採用時】には「働きやすさ」を整え、見える化します。
応募者はまず「衛生要因」を見ています(給与、休日、福利厚生、制度など)。ここが整っていないと「選ばれません」。
→ 採用広報では、「整った制度」や「働きやすさ」を丁寧に伝えることが大事です。
【定着】には「働きがい」がカギとなります。
入社後は「やりがい」や「評価されている実感」がないとモチベーションが下がります。
人は「成長」「承認」「意味ある仕事」でやる気を維持します。
→ 定期的な面談や評価制度、キャリア支援などが重要です。
いかによい人財を定着させるかが、大事です。
弊所では、今の時代に求められている「感情・考え方」のマネジメントに着目し、人が集まる職場づくりのサポートに取り組んでおります。
心理的安全性を高めたり、パワハラ予防研修を実施し、働きやすさの整備に取り組んでいます。
原田メソッドを活用した職場づくりや、人事評価制度などを導入し、働きがいを高めるサポートを行っています。
また、組織診断を実施し、現状を分析、課題を解決していく具体的な行動をご提案・実施し、業績向上をサポートしております。
ぜひお気軽にご相談ください。