2025年4月 育休給付が手取り10割に/出生後休業支援給付
2025年4月、「出生後休業支援給付」と「育児時短就業給付」の新しい制度が施行されます。
男性の育児参加を促進することや、育児と仕事の両立を支援し、時短勤務による収入減少をサポートするとともに、キャリア形成の後押しをすることが目的です。
企業にとっては、男性が育児参加しやすい環境を整えることで、社員のワークバランスの向上や企業のイメージ向上に取り組むことができます。
新制度の内容と企業の対応を合わせて、分かりやすく解説します。
(1)出生後休業支援給付とは?
①目的
②「出生後休業支援給付」の内容
③制度のメリット
(2)育児時短就業給付とは?
①目的
②「育児時短就業給付」の内容
③制度のメリット
(3)企業は男性が育休を取得しやすい環境づくりを整えよう
環境整備のメリット
(1)出生後休業支援給付とは?
夫婦ともに14日以上の育児休業を取得した場合に支給される給付金です。
通常の育児休業給付に、休業開始前賃金の13%相当額が上乗せされます。
①目的
若者世代が、希望どおり、結婚、妊娠・出産、子育てを選択できるようにしていくため、夫婦ともに働き、育児を行う「共働き・共育て」を推進する必要があり、男性の育児参加を促進していくことが目的です。
②出生後休業支援給付の内容
子の出生直後の一定期間以内(男性は子の出生後8週間以内、女性は産後休業後8週間以内)に、夫婦ともに14日以上の育児休業を取得する場合に、最大28日間、休業開始前賃金の13%相当額が給付されます。
それにより、育児休業給付とあわせて給付率80%(手取りで10割相当)になります。
※ 配偶者が専業主婦(夫)の場合や、ひとり親家庭の場合などには、配偶者の育児休業の取得を求めずに給付率を引き上げます。
③制度のメリット
男性の育児参加促進:
男性が育児に積極的に関わることを奨励し、ワークライフバランスの充実を図る効果が期待されます。
家族のサポート:
出産直後の大変な時期に父親が支援できる環境が整うことで、母親の負担が軽減されるメリットがあります。
(2)育児時短就業給付とは?
育児時短就業給付とは、2歳未満の子を養育するため、時短勤務を選択した場合に、その収入減少をサポートする制度です。
①目的
現在は、育児のための短時間勤務制度を選択し、賃金が低下した社員に対して給付する制度はありません。
育児と仕事の両立を支援し、時短勤務による収入減少をサポートするとともに、キャリア形成の後押しとなることを目指しています。
②育児時短就業給付の内容
雇用保険被保険者が、2歳未満の子を養育するために時短勤務をしている場合、時短勤務中に支払われた賃金額の10%が給付されます。
時短後の賃金と給付額の合計が、時短前の賃金を超えないように給付率を調整します。
③制度のメリット
収入の補填:
短時間勤務により収入が減少してしまう場合でも、給付金により一定の収入が確保でき、育児と仕事の両立がしやすくなります。
育児とキャリアの両立支援:
短時間勤務を選択しても、キャリアを継続できる可能性が広がり、働き続けやすくなります。
社員のワークライフバランスの向上:
家庭とのバランスを取りやすくなるため、社員のモチベーションや職場への定着率向上が期待されます。
(3)企業は男性が育休を取得しやすい環境づくりを整えよう
「出生後休業支援給付」や「育児時短就業給付」を取得しやすい環境を整えることは、社員の満足度や企業のイメージ向上に大きくつながります。
<環境整備のメリット>
社員満足度・エンゲージメントの向上
男性社員が育児に関与できることへの満足感が高まり、長期的なモチベーション向上や定着率の向上が期待されます。
企業のイメージ向上
育児参加を支援する企業は、働きやすい環境を提供していると見なされ、優秀な人財の採用にもつながります。
また、社外にも企業の「働きやすさ」をアピールする機会となります。
生産性の向上
仕事と育児の両立がしやすくなることで、社員のストレスが軽減され、集中力が高まります。
特に仕事と生活の調和がとれた社員は、効率的に働く傾向があり、結果的に生産性の向上にもつながります。
法令遵守とリスク回避
働き方改革が進む中、育児休業取得に関する法令順守の姿勢を示すことは重要です。
長期的に見ても、法令を守り、社員の権利を尊重することで、労務トラブルのリスクを回避できます。
このように、環境を整えることで、会社にとっても社員にとっても大きなメリットが期待できます。
少子高齢化が進む中、育児休業制度は改正も多く、非常に複雑で、新制度の把握、従業員への周知や申請手続きの整備など、さまざまな対応が必要です。
リッシュでは、働き方改革のサポートをを行っております。
積極的に整備していきましょう。
お気軽にお問い合わせください。